10年ほどショアキャスティングでの青物ゲームに興じてきました。
太軸のトリプル(トレブル)フックから始まり、試行錯誤を続けたのち、現在はシングルフックオンリーに落ち着いております。
そんなシングルフックのセッティングは実に様々ですが、今回は現時点でたどり着いた最高のセッティングをご紹介します。
シングルフックはフッキング率が落ちると考えてなかなか手を出せない方もいらっしゃると思います。
今回は、シングルフックのデメリットを解消し、自信を持ってご使用いただくための解説記事になります。
シングルフックのメリットデメリット
トリプルフックと比較したメリデメになります。
まずはメリット
- 強靭なフックを搭載できる
- 貫通力が高い
- トラブルが激減
これらは周知の事実なので、あえて説明は省きます。
どれもトリプルフックで実現するには難しい課題ですね。
次にデメリット
- フッキング率が落ちる
- ルアーとの重量バランス
これらはよく聞くデメリットですが、工夫次第でなんとでもなります。
むしろ、メリットに昇華させることも可能です。
ちょっとの手間を加えるだけで、自分なりの最高のフックセッティングを実現できるので、次項からそれぞれ説明させてもらいます。
フッキング率を爆上げ
フッキング率が悪いと言われるシングルフックですが、本来はトリプルフックよりも高くなると私は考えます。
トリプルフックと比較すれば、フックポイントが3箇所から1箇所に少なくなるので、フッキング率が下がると思われがちですが、本来はそうじゃない。
魚がルアーを捕食してからフッキングまでの流れを想像すると、本質が見えてきます。
魚の捕食方法は様々でが、基本は同じです。
真横からの吸い込み、後ろからの吸い込み、噛みつき、などなどありますが、これらに共通するのは捕食する時に必ず吸い込むということ。
噛みついて捕食してるように見える魚達も、実際には吸い込んだあとに噛みついているのです。
捕食後にアワセを入れた時、口の中に入ったルアーに着いたフックが魚の口にフッキングするのですが、この時に大切なのは、できるだけ口の奥にフックを入れてあげること。
ルアーが口の中に入らなくても、フックが中に入っておけば良いのです。
フックが口の奥にあるほど、フッキングの確率は高くなります。
それを実現できるのが、シングルフックです。
トリプルフックと違って、シングルフックはルアーとの接続にアシストラインを使用できます。
このアシストラインを、ルアーに合わせてできるだけ長く調整してください。
それだけでフッキング率は爆上がりします。
フッキング率を上げるには、できるだけルアーからフックを離すのが超重要です。
アシストラインの長さ調整
アシストラインが長いほどフッキング率が向上しますが、長ければ良いと言うものではありません。
長すぎると逆にフッキング率を下げてしまうことになるので、いくつか注意点を挙げておきます。
- フックへの干渉
- ボディへの干渉
- ラインへの干渉
これら3点に注意しながら、アシストラインの長さを調節してください。
アシストラインが長すぎた場合、だいたいこれらの事象が起こります。
フックへの干渉
アシストラインが長すぎると、フロントとリアのフックが絡みやすくなります。
絡んだ状態で魚からコンタクトがあった場合、ほぼ間違いなくフッキングしません。
ボディへの干渉
アシストラインが長すぎて、フックポイントが背中まで回ってしまい、ボディにフッキングしてしまいます。
この場合も大事なフロントフックが機能しないので、フッキング率は半分以下になります。
ラインへの干渉
トリプルフックほどではありませんが、アシストラインが長いほどメインラインをフロントフックが掴みやすくなります。
ルアーのアクションが破綻してしまうので、大事な時合いを逃す原因になるので注意が必要です。
以上3点を気にしながら、自作、商品選びに励みましょう!
ルアーとの重量バランス
ソルトルアーの推奨フックはほぼトリプルフックです。
スイムテストをトリプルフックで実施して出荷されるので、たまにシングルフックだとアクションが破綻してしまう場合があります。
ただ、これも工夫でなんとかなります。
むしろ、青物用トップウォータープラグでは浮力が強くなり、アクションのキレが増します。
その反面水面から飛び出しやすくなるので、バランス調整が必要です。
重量バランスは、フックの本数、鉛板や鉛糸でセッティングしてください。
ダイビングペンシルの浮き上がりを抑えて飛び出しを防いだり、ミノーなどであればシンキング速度の調整が可能です。
アジング用のワームフックのフック部部をカットして鉛の部分だけをルアーに搭載するのもアリです。
また、小さいトリプルフックから大きい太軸のシングルフックへの交換であれば、そこまで大きくバランスを崩すことはありません。
ルアーと一緒にお風呂に入ってぷかぷか浮かべながらセッティングしましょう。
僕の経験上、シングルフックに変えて全く泳がなくなったルアーはほぼ無いのですが、ジョイクロシリーズは苦労しますね、、、
大きいトリプルフックを搭載すると、メインラインとボディに干渉しやすく、バランスも崩しやすいルアーです。
大きくて力の強い魚を狙うには、強度不足感が否めません。
大きい口に対して、小さく軸の細いフックで挑むので、フッキングは悪く、伸びる可能性も高い。
これらは、青物用のシングルフックが解消してくれました。
ただ、なんでも良いという訳ではないので注意が必要です。
自分的理想のシングルフック
私の理想的なシングルフックに必要な要素は以下の3点です。
- シャンクが短いこと
- フトコロ幅が広いこと
- できるだけ細軸で強度が高いこと
シャンクが短い方が良い理由はアシストラインを長く設定できるので、フッキング率が向上するからです。
フトコロ幅はフックポイントとシャンクまでの距離
フトコロ幅が広ければ、フックポイントが遠くなりフッキング率が向上します。
できるだけ細軸が良い理由は、細いほど深く刺さるからです。
フッキングの抵抗は低いに越したことはありません。
ちなみに、カエシを潰すと深くフッキングしやすくなりバラシを低減することができます。
意外ですよね笑
まとめ
シングルフックを使ったことがない方々にはなかなか理解しにくい話だったと思います。
フックポイントが多いトリプルフックの方がフッキング率が高いと思うのが当然です。
ですが、フッキングの本質を知ればシングルフックの有用性に気が付けると思います。
慣れない方は、メタルジグのフロントフックを1本にすることから始めてみましょう。
根掛かりが激減してフッキング率が上がり、バラしにくくなるので、シングルフックの有用性を最大限実感できると思います。
近年では、キャッチ&リリースの概念も広く浸透してきました。
シングルフックであれば、お魚さん達へのダメージも最低限です。
キャッチ&リリースを主体に釣りを楽しむのであれば、お魚さんたちへの配慮は釣り人としてのマナーです。
固定観念を捨てて、本質を知れば、快適で確実な釣りが実現するでしょう。
ピンバック:【釣りの基礎知識まとめ】釣り初心者にこそ知ってもらいたい5つのこと – 釣りキチの頭の中