【ショックリーダーの選び方】ナイロンとフロロカーボンの特徴比較

ナイロンとフロロカーボン

どっちがショックリーダーに適しているのか

永遠のテーマですね。

今回はナイロンとフロロカーボンの特徴に着目します。

ナイロンは弱い?感度が悪い?

フロロカーボンは強い?感度が良い?

なぜそんな定説が生まれたのか不明ですが、それぞれの特徴から読み解きます。

このブログを見つけた皆さんは、それぞれいろんな考えをお持ちだと思いますが、とりあえず最後まで読んでみてください。

ナイロンの素材的な特徴

ナイロン(ポリアミド樹脂)は同じ分子が長鎖的に結合したもの

同じ分子が結合するので、結合力が強く、樹脂の特性として、柔らかくて、伸びるのが特徴です。

同じ線径(mm)でフロロカーボンと比較したとき、強度(lb)が少し高くなるのはそのためです。

柔らかくて巻き癖が付きにくいので、扱いやすいのも特徴ですね。

初心者の方におすすめするのであれば、圧倒的にナイロンラインです。

ちなみに私も、ショックリーダーにはナイロンラインを愛用します。

ナイロンラインの特徴

  • 柔らかい、伸びる
  • 強度(lb)が高い
  • 巻き癖がつきにくく、扱いやすい

フロロカーボンの素材的な特徴

フロロカーボン(フルオロポリマー)はフッ素と炭素が長鎖的に結合したもの

異なる分子の結合なので、結合力はナイロンに劣ります。

しかし、表面は滑らかで、硬く、屈折率が水に近いので水中での透明性が高いのが特徴。

硬いので、巻き癖が強く、傷が付きやすいのが難点です。

フロロカーボンラインの特徴

  • 表面が滑らかで硬くて伸びない
  • 水中での透明性が高い
  • ハリがあるので絡みにくい

結束強度の比較

PEラインとショックリーダー結束はほとんど摩擦系のノットで締め込むと思います。

このとき、結束強度に高くするには、摩擦係数を上げてあげるのが重要です。

負荷を一点に集中させるのではなく、全体に分散する必要があるからです。

では、この摩擦係数ですが、どのようにすれば高くすることができるのでしょうか?

それは、PEラインの接触面積を極限まで高くすることが重要で、PEラインをショックリーダーに食い込ませるほど高くなります。

この食い込みは、柔らかいナイロンラインでなければ難しいと思います。

食い込みの差で、摩擦係数に大きな差が生まれ、結束強度に大きな差が出るのです。

フロロカーボンの場合は、硬いので食い込み弱くなり、接触面積が低くなり、摩擦係数が低くなって、すっぽ抜けの原因なりやすい。

私が下手なだけかも知れませんが笑

すっぽ抜け対策でリーダーを炙ってコブを作っていませんか?

炙る時の熱でPEラインは、驚くほど劣化しています。

高級なPEラインを使っていても、強度を最大限発揮できなければ本末転倒。

摩擦係数を高くできれば、コブを作る必要もないので、結果的に結束強度は高くなります。

根ズレに対する強度

根ズレには、硬いラインの方が有利な印象がありますが、フロロカーボンは同じ引っ張り強度だとナイロンより一回り太くなるのが特徴です。

太くなれば根ズレに強くなるのは当たり前

同じ太さで比較すれば、フロロカーボンとナイロンでは同等、もしくはナイロンの方が根ズレに強くなります。

意外ですが、本当なんです。

フロロカーボンは石のような硬いものには弱いですが、柔らかいものに対してはめっぽう強いです。

水草や倒木を切ったり、折ったりするのには最適です。

感度のカラクリ

伸びのあるナイロンラインは感度が低いと良く聞きますが、実はカラクリがあります。

ではなぜ感度が悪く感じるのでしょう?

それには比重が大きく関係します。

フロロカーボン(ポリフッ化ビニリデン) 比重1.80

ナイロン(ポリアミド樹脂) 比重1.15

比重が軽いナイロンは浮きやすいのが特徴です。

比重が重いフロロカーボンは沈んで地を這うので、水底の状況が手元に伝わりやすいのが特徴。

これを感度が良いと勘違いしている人が多い

ナイロンは比重が軽いので水面付近を浮遊するので、リールを巻くとルアーはラインに引っ張られ、持ち上がります

これでは、水底の状況は手元に伝わりませんね。

フロロカーボンは感度が良いという定説のカラクリです。

巻き癖が付いて、ラインが必要以上に出るフロロカーボンが感度が良い訳ないのです。

ボトムを引きずりたいならフロロカーボンが有利

ボトムから跳ねさせたいならナイロンが有利

ついでに、根掛かりを防ぐには?

よく考えでみましょう。

フッキングでのパワー入力

フッキングは伸びるナイロンの方が決まりますよね?

地を這うフロロカーボンは、フッキングで入力したパワーが水底近くから持ち上がる過程で、水圧により分散します。

フッキングで水中で浮遊するナイロンにかかる水圧は最小限です。

つまり、入力したパワーが分散せずに、針先に集中し、フッキングしやすいのが特徴です

ナイロンは確かに伸びる。

ただ、ナイロンが伸びるほどの衝撃があった場合、手元どころか全身で衝撃を感じられるはずです。

魚からの細かいコンタクトでは、ほとんどラインは伸びてません。

リーダー程度の長さならほとんど伸びていないのが現実です。

一長一短ですね。

ナイロンの浸水性

ナイロンラインは浸水しやすく、強度劣化が起こりやすいのが定説。

では、何時間水の中に浸せば劣化するほど浸水するのでしょうか?

これはメーカーによってコーティングの差があるので、一概に何時間とは言えないのですが、少なくとも数十時間経過後にやっと経年劣化を認識できるレベルです。

そんなに釣りしてたらノットはボロボロでラインも傷だらけになってるはず。

どっちにしても交換対象。

フロロカーボンは浸水性が非常に低いのがとくちょうです。

ただ、ガイドとの摩擦で細かい傷が付きやすい特徴があります。

使うほど白っぽくなっていくのは細かい傷が原因です。

この細かい傷からの浸水の方がよっぽどダメージが大きい。

まとめ

フロロカーボンとナイロン

本来はどちらも世の中の認識とは少しズレた特徴を持っています。

意外と、ナイロンが優秀なのがわかって貰えたと思います。

もちろん、フロロを全否定するつもりはありません。

私自身、フカセ釣りのハリスはほとんどフロロカーボンを使いますが、

餌釣りのハリスにはフロロカーボンが最適だとおもいます。

これは、比重とハリが私の釣りに適してると判断したからです。

餌釣り以外にも、真下に沈める釣り、ルアーや仕掛けを浮かせたくない釣りにはフロロカーボンが圧倒的に扱いやすいはずです。

ジギングでジグを落としながらアタリを取ろうと思ったらナイロンやPEじゃほとんど分かりません。

でも、フロロカーボンだと分かるんですよね。

つまり、適材適所。

本質を知り、特徴を理解して、特徴を活かした使い方をしましょう。

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